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ものづくり補助金の最新情報(第19次)

  • 執筆者の写真: Hirotaka Nanjo
    Hirotaka Nanjo
  • 1月25日
  • 読了時間: 5分

更新日:1月26日




ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの省力化を通じて生産性向上を図るための設備投資等を支援する制度です。2025年も実施が予定されており、「補助上限額は4,000万円、収益納付は求められない」とされています。


2025年度の主要な変更点

1.補助率の引き上げ

最低賃金の引き上げに取り組む事業者に対し、補助率が1/2から2/3に引き上げられました。

対象条件:

  • 地域別最低賃金+50円以上の従業員が全体の30%以上

  • 条件を満たした場合、補助金額が大幅に増額


2.補助上限額の見直し

従業員数に応じた補助上限額が改定され、特に従業員数21人以上の事業者にはさらなるメリットがあります。

従業員数

補助上限額

賃上げ特例適用時

5人以下

750万円

850万円

6~20人

1,000万円

1,250万円

21~50人

1,500万円

2,500万円

51人以上

2,500万円

3,500万円

※「収益納付は求めない」と明記されている

ものづくり補助金は、中小企業のイノベーションを支援する重要な政策の一つです。その中で、2025年の公募要領において特に注目すべきポイントは、「収益納付は求めない」という明確な方針が示された点です。これは、中小企業の成長を促進するための大きな転換点と言えるでしょう。


※収益納付とは?

そもそも「収益納付」とは何でしょうか。これは補助金適化法を根拠とした仕組みで、補助金を活用して得た成果が事業化され、収益が生じた場合、補助金交付額を上限にその収益の一部または全部を国庫に返納する義務を指します。この制度は、補助金が適切に活用されるよう管理する目的で設けられたものです。


3.2023年度と2024年度以降の方針の違い

例えば、2023年度補正予算の公募要領には次のように明記されていました。

「事業化状況の報告から、本事業の成果の事業化又は知的財産権の譲渡又は実施権設定及びその他当該事業の実施結果の他への供与により収益が得られたと認められる場合には、受領した補助金の額を上限として収益納付しなければなりません。」


一方で、2024年度補正予算をもとに中小企業庁が発表した資料では、

「収益納付は求めません」

と明確に記載されています。


なぜ方針転換が行われたのか?

この変更について、中小企業庁イノベーションチームは次のように説明しています。「中小企業の成長を加速させるという観点から、財務当局と調整した結果、収益納付を求めないこととなりました。」

つまり、この新方針には、中小企業が得た収益をそのまま事業拡大や成長戦略に活用できるようにする狙いがあります。


4.2025年に向けた期待

このような制度変更により、中小企業は補助金を最大限に活用しながら、得た利益を再投資することでさらなる成長を目指せる環境が整いつつあります。また、「収益納付がない」という点は、補助金活用に二の足を踏んでいた企業にとって、大きな後押しとなるでしょう。


5.ものづくり補助金の要件



これらの要件を達成できない場合、補助金の返還義務が生じる可能性があります。


6.省力化(オーダーメイド)枠

概要: ICT、IoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、専用設備による生産プロセスやサービス提供方法の改革を支援。


補助上限額・補助率:

  • 5人以下: 750万円(1,000万円)、補助率1/2、小規模・再生2/3

  • 6~20人: 1,500万円(2,000万円)

  • 21~50人: 3,000万円(4,000万円)

  • 51~99人: 5,000万円(6,500万円)

  • 100人以上: 8,000万円(1億円)


申請要件: 3〜5年の事業計画を策定し、年平均成長率3%以上、給与支給総額年平均成長率1.5%以上、最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にすることなど。


7.製品・サービス高付加価値化枠

 補助上限は以下の通りです。()内が大幅賃上げ特例を達成した場合です。

  • 5人以下750万円(850万円)

  • 6~20人1000万円(1250万円)

  • 21~50人1500万円(2500万円)

  • 51人以上2500万円(3500万円)


※中小企業向けの補助率は基本的に1/2ですが、指定する一定期間において、3ヵ月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いる場合は、最低賃金引上げ特例で、2/3となります。


8.グローバル枠

グローバル枠の補助上限は3000万円で、補助率は中小企業で1/2、小規模事業者で2/3となります。


9.対象経費

ものづくり補助金の対象経費としては以下のようなものが挙げられます。

  • 機械装置・システム構築費(必須)

  • 技術導入費

  • 専門家経費

  • 運搬費

  • クラウドサービス利用費

  • 原材料費

  • 外注費

  • 知的財産権等関連経費


10.グローバル枠では、これらに加えて海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も対象となります。

11.公募スケジュール

2025年度のスケジュールはまだ確定していませんが、例年通りの流れを予想すると以下の通りです。

  • 1月下旬~2月上旬:公募開始

  • 3月末:申請締切

  • 5月頃:採択発表

スケジュールの変更がある可能性もあるため、公式サイトを随時確認してください。


12.申請の流れと注意点

・対象確認公募要領を確認し、自社が対象となるかを判断します。事前に要件を満たしているかをチェックしましょう。


・「GビズIDの取得」電子申請にはGビズIDが必須です。取得までに時間がかかるため、早めに準備しましょう。


・交付決定後に事業開始補助金申請前の事業開始は補助対象外になるため、必ず交付決定を待ちましょう。


・実績報告の提出事業完了後、必要な書類を提出することで補助金を受け取る準備が整います。


・事業計画の遂行3~5年の計画を立て、毎年の報告書を提出することで継続的な支援を受けられます。


13.成功する申請のコツ

  • 具体的な事業計画を立てる 採択されるためには、補助金を使って実現する成果やその効果を明確に示す必要があります。


  • 専門家のアドバイスを活用する 申請書の記載内容や計画立案の段階で、補助金に詳しい専門家のアドバイスを受けることで採択率が向上します。


  • 過去の採択事例を調査 同業他社の成功例を参考にすることで、より効果的な計画が作成可能です。


 
 
 

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